「マクベス」への長い旅②


2009/10/26
長野に、移動。
チェックインまで、時間があったので、ファミレスに入り、時間を潰す。
ホテルで貰った新聞を読む。
野村監督の記事なんかを読むが、どうもうまく、時間が潰せない。
最近は、老眼が進んでしまい、何か読むときは、老眼用のメガネに付け替えるのだが、そうなると、近いところしか、見えず、気持ちが内向していく。
だから、普通のメガネと、老眼用のメガネとを、ひっきりなしに付け替えているのだけれども、とうとう、老眼用のメガネを鞄に戻して、しまった。
だから、もう、何も読まないし、何も書かない。
そうなると、もう、することがない。
コーヒーを何杯も飲むわけにもいかず、かと言って、まだ出るには、時間が早すぎる。
外は、雨。
昼時となり、次から次へと、客が入ってくる。
四人掛けのテーブルに通されたボクは、一人陣取っているのが気が引けて、カウンターに移ろうと思うのだけれども、ウェイターは、それどころじゃない。
で、仕方なく、コーヒーのお替りをしながら、ウェイターに声を掛けて、ランチメニューを告げる。
で、昼飯。
食べ終わっても、まだチェックインの時間には早い。
でも、もう、どうすることも出来ない。
ファミレスを出て、ホテルへ。
「まだ、ですよね」
と、訊くと、
「掃除は済んでますので、直ぐにお入りになられます」
と、言う。
ホッとして、部屋に入り、一服する。
ついでにビール。
しかし、このまま寝てしまうと、また、夜中に目が覚めてしまうので、ぜえぜえ息しながら、部屋を出る。
フロントで、傘を借りて、外へ。
デパートなどを歩いて、居酒屋で夕飯。
ホテルに戻り、テレビで、鳩山さんの所信表明演説の報道を見る。
哲学的な政治家の演説と言うものを初めて聞いた気がする。

またもや、興奮してしまい、二時間ほどで目覚めてしまう。
映画の撮影は、具体だが、シナリオは、哲学だ。
「具体がない、具体がないと野党になり下がった自民党は言うが、与党時代の自民党が、それでは、具体をひとつでも言ったことがあるのか!」
と、怒鳴る。
何でも、哲学が基本だ。
哲学するには、時間が掛かる。








2009/10/27
ホテルを出て、カーナビをセット。
七尾市まで、一般道で行く決心をする。
小川町。
大町。
白馬。
紅葉がいい感じで色づいている。
昔、オートバイで、黒部ダムまで旅をしたことを思い出す。
子供の頃、『黒部の太陽』に感動したボクが、十何年後かに実現した冒険だった。
でも、黒部ダムを見るには、大町ルートからだとトロッコに乗らなければならず、乗り場で断念したものだった。
糸魚川から、魚津。
富山。
高岡。
友部さんの歌を思い出す。
氷見。
うどん屋がないかと、探す。
ない。
和倉温泉
今日から二日滞在する宿は、「ふじたや」という宿。
訪れたとき、ご主人が留守のようで、奥の部屋で、寝ていたおばあちゃんが出て来て、部屋の案内をしてくれた。
荷物を置いて、一服して、少し早いが、外出。
まだ、呑み屋は開いてなかったので、角のスナックに入り、ビール。
店内は、おばちゃんばかりで、コーヒーを飲みながら、話している。
温泉街と言うものは、普通、女将が表にいて、主人は裏にいると思っていたが、ここではそうではないようなのだ。
いや、これはボクの思い違いだな。
ここに女将さんたちはいず、近くの商店などから集まった人たちなんだろう。
しかし、何とも、のどかな風景だった。
店を出て、寿司屋へ。
焼酎を一杯。
さざえの壷焼きと、何だったかを食べ、寿司を四つほどつまんで、宿へ。
もう、心臓がドキドキしていて、何も出来ない。
それでも、テレビを見ていたのだけれども、気が付いたら眠ってしまい、また、深夜に目覚めてしまった。
明日も、辛い一日になる予感。