2009/10/22

来週は、仲代さんの舞台「マクベス」を能登まで見に行く予定で、その行き帰りに、ひとり旅をしようと考えている。
で、そのスケジュール作りをしているところなんだけど、なかなか、予定が組めない。
決まっているのは、上田で、上野と会い、呑むと言うことだけ。
長野にも行きたいし、魚津の町も見てみたい。
氷見うどんは、美味いから、これは外せないとして、そうそう、戸隠の蕎麦と言うのもその土地で食べてみたい。
へぎそばは、まあ、いいか。
そうね、そうそう。
金沢もいいかも知れない。
確か、永瀧さんは、金沢住まいではなかったかな。
いるかな。いたら久しぶりに会ってみたいな。
と、なると、名古屋に出て、東名高速で戻ると言うことになるな。
それじゃ、名古屋で一泊して、九鬼さんに会うか。
ついでに、『ワカラナイ』の公開をしてくれる「シネマテーク」にも顔を出して、挨拶でもして、ああ、いとうさんにも会わなくちゃいけない。
いや、「いとうさんにも」ではなくて、何を置いてもいとうさんには会わなくちゃな。
『ワカラナイ』に曲を提供してくれた人だからな。
いや、待てよ。
名古屋もいいけど、大阪もいいな。
金沢からだったら、大阪もそれほど遠くはないし、池田で、「ささめうどん」を食べて、その晩は、奥さんの実家に泊めてもらおうか。
いや、待てよ。
能登から、また、長野に戻り、群馬に出るのも悪くないぞ。
群馬に行くなら、八ッ場ダムだろう。
となると、泊まりは、川原湯温泉と言うことになる。
なにせ、ダムに沈む温泉だからな。
しかし、中止となった今、この温泉地は、どうなるのかな。
いずれにしても、当地で、散策もいいかな。
しかし、七尾市からだと、六時間はみなくちゃいけないな。
六時間か。
昼飯の時間を入れると、十時に発っても、五時か。
日が暮れるな。
うーん、どうしたものかな。
困ったな。
で、ふと我に返る。
この旅のテーマは、仲代さんの舞台を見ることで、その前後の旅ではないのではないか!
と、なると、予習の意味で、「マクベス」を読むべきで、「マクベス」を読んだら、次は、「リア王」か。
『乱』も観なくちゃならない。
『影武者』
や、
蜘蛛巣城
もだ。
「いのちぼうにふろう物語」
もビデオが入手できるなら、見ておくべきで、そうなると、
『人間の条件』全巻
もここらで、もう一度見直す必要がある。
「うーん、困ったな。どうしよう」
と、思いを巡らすと、ふと、ケネス・ブラナーのことが頭を掠め、このシェイクスピア俳優の監督作が必見と気付き、
「ツタヤに行くか!」
とか、
「アマゾンで、DVDか!」
とか、色んなことを考えた挙句に、南田洋子さんが亡くなったことを思い出して、
「俺も認知症の気があるかも知れない」
と、鳥肌を立てる。
長門さんと南田さんのドキュメンタリーに、讃より、非の方が多かったことを、思い出し、「長門さんは、人でなしだ!」
などと書かれたこともあったけれども、あの泪は、役者の泪じゃないだろうと、長門さんの痛恨を悼む。
遠回りばかりで、一向に、能登行き前後のスケジュールが立てられないので、ああ、困った!
こう言う時に、酒を呑んでしまうと、いけないので、じっと我慢をするのだが、カトリーヌさんから、電話で、裏返った声で、
「今、六本木なんですけどぉー、これから木場に戻らなくちゃならないんですけどぉー、映画のこともありますからぁー、今夜、会えますか!」
と言うので、ボクは、うろたえてしまい、
「ちょと待って、プレイバック。その言葉、プレイバック! プレイバック!」
の、百恵さんの歌を思い出し、スケジュールの件は、凍結し、月島へと向ったのだ。
しかし、直接行かないのは、ボクの悪い癖で、
「それじゃあ、豊洲に行って、時計の電池交換をして、それから、ええと…、手帳を見てと、その後は、プロントで、ピルスナーかなぁー」
と、結論を出す。
月島は、素敵な町だが、
「ここに住んだら、確実に脂肪肝でイチコロだな!」
と思い、終の棲家は、唐桑の気持ちを曲げない。
しかし、ボクらは、いつになったら、唐桑に行くんだろう。
別に、別荘のつもりで買ったのではなくて、食い詰める前に、移り住もうと思って、買ったのだが、一向にその気配は、ない。
「困ったな! そんなに優雅じゃないんだけどな! 今だって、賃貸だしな!」
と呟くが、
「ローンは、現代の小作人
と書いた、この住宅の階下の人の書いた文章を思い出して、
「賃貸も、小作だろう」
とか思うわけで、
「よし! やはり、来年は、唐桑だ!」
と、決意する。
やはりとうとう、能登行き前後のスケジュールは、未完に終わるのだけれども、何としても、実現だけはしたいものだ。