「ロカルノ映画祭」のこと3

2009/08/07

気分優れず、朝に、スイスインフォの取材を受けてから、ベッドに戻り、寝て過ごす。
「ああ、また始まったな」と思う。
思えば、いつもこんな感じで、映画祭を過ごしている。
プレミア上映に立ち会うというのは、そう言うことなんだなと、思う。
夕方、スーパーに買い物に行く。
今夜は、優斗と家族とで、晩御飯。
それから、グランデ広場のほうに繰り出す予定。

晩御飯は、ステーキ。
それに、パスタとパン。
酒は、Sさんからの戴き物のスイス産白ワイン。
なかなかうまい。
でも、誰も呑まないので、あまりはかどらず、ボク一人で、三杯ほど呑んで、出かけることにした。

グランデ広場につくと、すごい人手で、少し元気になり、テラスのレストランで、それぞれ飲み物を注文して、椅子に腰を下ろす。
途端に、雲行きがあやしくなり、雷が鳴り始める。
でも、ホテルのカウンターにあった天気予報では、今日は晴れ。
「降っても、直ぐに止むさ」
などと呑気なことを言ってたら、途端に、雨が降り出した。
しかも、大雨だ。
バケツをひっくり返したような雨と言うのは、このことを言うのだろう。
すさまじい雷が、轟き続ける。
座っていたテラスには、雨除けがあるのだが、横殴りの雨が吹き込んで来て、とても、座っていられない。
ボクらは、テラスを引き上げて、店の中に入るが、そこは人でいっぱいで、とても長くはいられない。
アーケードも、すさまじい人。
グランデ広場での映画の上映が中止になったのだろう。
合羽を着た人たちがぞろぞろとやってくる。
そして、アーケードで、揃いも揃って、雨宿り。
ボクらもしばし、立ちつくし、雨の止むのを待つが、小降りになるどころか、勢いは、どんどん増してきて、夏の夕立ちなんてもんじゃないことにようやく気付く。
一時間か二時間。
とにかく、いつ止むとも知れない雨が止むのを待ち続けるが、とうとう我慢が出来なくなって、
「いくぞ!」
と、みんなに声を掛けて、雨に突入。
ずんずんとホテルまでの道を、歩き出す。
ずぶ濡れになってホテルに戻り、冷えた体を温めるべく、風呂に入る。
やっと人心地がついて、さて、呑み直すかと思っていたのだが、そのままベッドで、いつの間にか、眠っていた。